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火のある暮らしを実現。ペレットストーブの魅力。

2021. 02. 12家づくりガイド毛利陽子

火を眺めていると、時間を忘れ、静かで暖かい気持ちになります。
火のあるところには自然と人が集まり、やさしく揺らぐ炎を眺めながら、やすらぐ時間を過ごしたり、会話を愉しんだり…。

エコやスローライフが注目される中、住まいの中心にストーブを据え、“火のある暮らし”を取り入れる方が増えています。
エアコンでは得られない冬を愉しむ道具として、薪ストーブやペレットストーブは憧れの存在です。
今回は「ペレットストーブ」に焦点をあて、その特徴をご紹介したいと思います。

ペレットストーブとは?

ペレットストーブは、木くずや間伐材などを粉砕して円筒状に圧縮した「木質ペレット」を燃料に使用するストーブです。

ペレットを燃やすことで暖められた空気を、送風ファンで室内に送り出し、部屋を暖めます。
前面のガラス面などからの輻射熱による暖房効果もあるため、遠赤外線が身体の芯からじんわりと暖めてくれます。

薪ストーブとの大きな違いは、電気を使うこと。
電源のON・OFF、着火、ペレットの送り出し量の調整、温風の強さなど、操作のほとんどが管理できます。

また、煙がほとんど出ないので、都市部の住宅地にも設置しやすいです。

「薪ストーブの維持管理は大変そう。でも、火のある暮らしに憧れている…」
そんな方に気軽に取り入れてもらえるのがペレットストーブです。

玄関土間に鎮座したペレットストーブ。蓄熱する土間はペレットストーブとも相性がよく、輻射熱でじっくりと温められるので、寒い場所代表の『土間』が快適な空間になります。

玄関土間に鎮座したペレットストーブ。蓄熱する土間はペレットストーブとも相性がよく、輻射熱でじっくりと温められるので、寒い場所代表の『土間』が快適な空間になります。

木質ペレットは木の成分で固まっているため添加物がなく、燃焼時に有害物質を出しません

木質ペレットは木の成分で固まっているため添加物がなく、燃焼時に有害物質を出しません

ペレットストーブの構造と仕組み

本体にペレットを貯蔵するタンクが内蔵されており、
電源を入れるとスクリューが始動して、自動でペレットが燃焼ポットに送り込まれます

ペレットがヒーターからの熱によって着火し、炎によって暖められた空気を送風ファンで室内に送り出して暖めます

燃焼後の排気は、排気ファンによって強制的に屋外へ排出されます

燃焼後の灰は灰受けに溜りますので、適時取り出します

ペレットストーブの構造 ※FF式(強制給排気)の場合  画像:北海道木質ペレット推進協議会より<br />

ペレットストーブの構造 ※FF式(強制給排気)の場合  画像:北海道木質ペレット推進協議会より

ペレットストーブは、「温風式」「輻射・自然対流式」の2タイプあります。

●部屋を早く暖めたい方は「温風式」
温風式のほうが立ち上がりが早く、部屋をすばやく暖めます。温度ムラが少ないのも温風式です。
使用時間が短い場合は、温風式をお勧めします。
暖かい空気は上へ昇る習性があるので、室内循環の仕組みも検討しておくと効率アップです。

●静かなストーブで、温風が苦手な方は「輻射・自然対流式」
静かさで言うと輻射・自然対流式です。
燃焼部が熱くなり、その輻射熱でじんわりゆっくり暖まります。
輻射熱は赤外線を放出し、その間の空気に関係なく直接熱が身体や壁・床に伝わるため、芯から温まります。

※温風式は、温風が出るところの風切り音など、作動音が発生します
※輻射・自然対流式は立ち上がりが遅いので、最初はエアコン等、他の暖房機と併用することをお勧めします

「温風式」<br />
温風で暖房するので、比較的早く室内が暖かくなります。前面の扉やガラス面などからの輻射熱による暖房効果もあります。

「温風式」
温風で暖房するので、比較的早く室内が暖かくなります。前面の扉やガラス面などからの輻射熱による暖房効果もあります。

「輻射・自然対流式」<br />
薪ストーブのように、ストーブ本体からの輻射熱によってジンワリとしたぬくもりが得られ、室内はゆっくりと暖かくなります。機種により、床や壁へのストーブの熱を遮る炉台等が必要となる場合もあります。

「輻射・自然対流式」
薪ストーブのように、ストーブ本体からの輻射熱によってジンワリとしたぬくもりが得られ、室内はゆっくりと暖かくなります。機種により、床や壁へのストーブの熱を遮る炉台等が必要となる場合もあります。

ペレットストーブのメリットは?

それでは、ペレットストーブにはどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。

メリット1:優れた操作性と安全性

薪ストーブとの最大の違いは、点火と消火をスイッチひとつで行うという点で、貯蔵タンクにペレットを入れておけば、作動中は自動補充してくれるので操作がとても楽です。

また、火力調整やタイマー機能に加えて、耐震機能や点火異常感知機能などの安全装置が充実している製品も多く、安全性が高いので、お出かけ前や就寝前にも残り火を気にせず安心してお使いいただけます。

さらに、熱くなるのは炎が見えるガラス面と前面扉のみで、本体上部や側面は手で触れられることのできる程度の暖かさになるため、火傷のリスクが少ないこともお子様がいらっしゃるご家庭にはうれしいメリットですね。(ご心配の場合はストーブガードを設置してください)

メリット2:設置のしやすさ

電気によって強制的に給排気を行うため、薪ストーブのような本格的な煙突は必要ありません。
エアコン設置時のように給排気口を外に出す工事で済むため手軽に導入でき、初期コストも抑えられます。

メリット3:部屋の空気が汚れない

ペレットストーブは排気は強制的に室外に排出するため、石油ストーブなどと違って部屋の空気を汚しません。

また、石油ストーブを燃焼すると窓などに結露が発生しますが、ペレットは原料が木である為、結露の発生はありません。従って、シックハウス症候群の原因となるカビや細菌も生じません。

ペレットは燃焼効率もよく、ダイオキシンや一酸化炭素をほとんど発生させないのも特徴です。
灯油のように汚れや臭いがつかないので、燃料補給も簡単です。

メリット4:メンテナンスが比較的楽

着火時には少し白煙が出ますが、炎が安定すればほとんど煙やススは出ないため、清掃やメンテナンスが簡単で、近隣への影響を心配する必要もありません。

メリット5:環境にやさしく、地域経済の活性化にもつながる

ペレットは木質バイオマスエネルギーと呼ばれ、その原料は森林の育成過程で生じる間伐材や、製材工場などから発生する樹皮、かんな屑、端材など、再生可能な資源である木材です。
つまり、これまで廃棄されていた資源を有効活用しているリサイクル燃料です。

また、燃焼時に出るCO2は、樹木が成長するときに吸収したCO2のみのため、化石燃料のように大気中のCO2を増加させることはありません。

ペレットの消費拡大は、森の再生やCO2排出抑制による温暖化防止につながります。
さらには、地域の山の資源を有効活用するだけでなく、地域経済の活性化や雇用増加、そしてエネルギーの地産地消を後押ししようという動きも広まっています。

メリット6:炎や木の香りに癒される

そしてなんといっても最大の良さは、炎を楽しむ暮らしができることです。
ペレットが燃える時の火のゆらぎなどを眺めていると時を忘れるほどの火の魅力は絶大なリラックス効果が得られます。
導入されたお客様からは、
「夜は炎を見つめながらぼーっとするのが一番の楽しみ」
といった声や、
「家族が自然とペレットストーブの周りに集まってくる」といった声も聞かれます。

ペレットストーブや薪ストーブは、パッシブソーラーシステム「そよ風」とも相性が良く、ストーブからの暖気を循環運転させ家全体を暖めます

ペレットストーブや薪ストーブは、パッシブソーラーシステム「そよ風」とも相性が良く、ストーブからの暖気を循環運転させ家全体を暖めます

玄関脇で通りに面しているため、少し高めに立ち上げた煙突。外部の配管もさほど気になることなくスッキリとした印象。

玄関脇で通りに面しているため、少し高めに立ち上げた煙突。外部の配管もさほど気になることなくスッキリとした印象。

どんなデメリットがあるの?

いいことづくめのペレットストーブですが、デメリットとしてはどのようなことがあるのか、設置を希望される場合にはこちらもしっかり理解しておきましょう。

デメリット1:停電時に使用できない

多くのペレットストーブは電気でファンを回し送風するため、停電時には使用できません。
防災用品としては、薪ストーブには劣りますね。

※無電源ペレットストーブもヨーロッパでは販売されているので、国内でも今後機種が増えていくかもしれません

デメリット2:ランニングコストがかかる

使用時間や火力の強さによる使い方や、設置場所・気候などにより使用状況が変わるため、各ご家庭により異なりますが、エアコンや他の暖房器具と比べ、ランニングコストは割高と言えるでしょう。

ペレットストーブを1時間使用すると、ペレットを1kg消費すると言われています。
例えば1袋10kgで600円のペレットを購入し、ペレットをメイン暖房として毎日5時間使用した場合、1ヶ月で9,000円程度の燃料費がかかる計算となります。

ストーブ単体で住まい全体をカバーしようとすると燃料費はどんどんかさんでしまいますので、
そもそもの住まいの気密性・断熱性を上げ、さらにエアコンとの併用や、パッシブソーラーシステム「そよ風」・アローファン等の循環システム設備を上手く利用し、
ストーブの熱を効率よく回す方法を検討できれば、ランニングコストの負担も軽減できるかもしれませんね。

デメリット3:燃料の保管場所が必要

ペレットの1袋10kgは、お米10kgの袋より少し大きいくらいです。
毎日5時間使用したとすると、2日で1袋消費するので、1ヶ月分を保管しようとすると15袋程度は必要です。

薪に比べれば保管は楽ですが、保管場所は前もって考えておかなければいけません。
保管場所は、湿度の高い所や雨にさらされる所、直射日光のあたるところでの保管は避けてください。

ペレットストーブのメンテナンス方法

日常のメンテナンスとしては、炉の下にたまった灰の除去が中心ですが、空気口の灰(スス)の掃除、燃焼室や給気口の灰の除去、ガラスドアの汚れの除去なども必要です。

また月1~2回程度、熱交換器(室内への温風吹出し口)の灰除去を行います。

シーズンが終了したときは排気口や煙突を掃除してください。
きれいにしておくことで燃焼しやすく、燃費もよくなります。

機種やペレットの品質によりメンテナンスの頻度が変わる場合がありますので、
定期的に状態を確認し、必要があれば都度行いましょう。

まとめ

手間や費用もかかるペレットストーブですが、それを上回る心地よい暖かさやリラックス感を感じることができます。

そして何より、インテリアとしての魅力に心惹かれる方も多いのではないでしょうか。

ちょっぴり手間ひまかけて自分たちでつくる、冬の暖かさ。
身近に火があることで、暮らしの幅もよりひろがると思います。

手間を愉しむ心のゆとりのある生活、いかがですか?

「KURURI HUT」完成見学会 in 横須賀市秋谷

日程
2021年 2/20(土)・21(日)
時間
10:00~16:00
場所
横須賀市秋谷
備考
2階リビングにTOYOTOMI社のペレットストーブ「MUUMUU」を設置しています。
気になっている方はぜひ一度実物でペレットストーブの魅力を体感してみて下さい!

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