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イエづくりコラム

第18回 木のリノベーション その①

  • 2014.12.10
  • 北村 佳巳

中古再生のススメ

家や車などに固執しない若い世代など、モノの価値観が変わりつつありますが、それでも「住むならやはり憧れの新築の戸建注文住宅!」と考えている方は少なくないはず。ですが現実は厳しいということで、予算的に手の届く中古物件を購入してリフォームやリノベーションを選択する方も増えています。特に日本国内のストックが560万戸を超えると言われる中古マンションは、土地から探す一戸建てよりも利便性や周囲の環境が優れており、購入費も少なく済むのでローンも抑えられるというメリットがあり、戸建は無理だとしても自分らしい暮らし方を手に入れたい人にとって、中古マンションを購入して再生するという道は、無理をしないで心地よい暮らしを手に入れるための賢い選択肢なのかもしれません。

ですがその中古マンションはどこを見ても同じような間取りと内装仕上げ・・室内に居る限り、戸建の建売住宅となんら変わりない味気なさを感じている方も多いのではないでしょうか?

だからこそ、ただ古いから改修するだけでなく、自分達に合ったライフスタイルを実現するために、室内を全て解体して空の状態(スケルトン)から自由に空間を造る「フルリノベーション」を目指す方が増えてきたのだと思います。マンションは戸建と違って耐力壁などを必要としない場合が多いため、大空間や部屋を自由に間仕切るなどの個性的な間取りを実現しやすいのも大きなメリットです。 また資金面では以前は物件購入価格しかローン対象にならなかったのが、今では多くのローン商品が開発され、リノベーション工事費を物件購入の為の住宅ローンにも含めることも可能になりましたのでリフォームローンに比ベて金利も低くなり、資金計画も立てやすくなっています。

リノベーションの計画ポイント

フルリノベーションで一変した、木がふんだんに使われながらも上品さが漂うリビング

レイアウトの自由度が何よりの利点。フルリノベーションによって、好きな形のキッチンや造作家具などが楽しめる。床暖房対応のナラフローリングと天井に貼った米杉という無節でまとめた空間は木がふんだんに使われながらも上品さが漂います。

断熱や遮音対策を施した上での吉野杉フローリングは既存のマンションには無いぬくもりを住人に与えます

断熱や遮音対策を施したうえで、無垢のフローリングや珪藻土などの天然素材で仕上げた室内は無機質なマンションとは思えないぬくもりがあります。厚み3cmの吉野杉フローリングを採用。

全くのゼロから創りだすリノベーションですが、排水ルートや組合規約などによる様々な制限があるなかで計画しなければいけません。ハード面をしっかりと抑えたうえで、暮らしやすい空間にするためのポイントを幾つかお話します。

●快適な家事動線をつくる
何もないところからと言ってもあくまで限られた箱の空間。だからこそ戸建以上に日常の家事動線の線密な計画が重要です。残念ですがマンションの場合は、玄関や窓の位置は動かせないので、壁の仕切り方が自由に出来るメリットを最大限に生かして、如何にスムースな動線を生みだすかが重要です。出来る限り行き止まりを作らないような動線計画は奥行きや視覚的な広がりが生まれると同時に風や光も廻りやすくなるので、日々の暮らしを快適にします。

●採光、通風を工夫する
マンションでは窓の無い部屋や風が通らない部屋が多くなりがちですが、出来る限り自然風を取り入れ、自然光を廻すためのプランニングを大切にして、扉の向きに配慮し、全ての入口を引き戸にしたり、玄関に綱戸を設置して開放するなど、多様な「風のみち」を考えて計画すれば、マンションであっても淀みの無い快適な室内に生まれ変わるはずです。

●断熱対策をしっかりと
マンションは気密性が高いのですが、築年数が古くなるほどに外壁面等の断熱性は寂しい限りです。そのため北側の部屋のクロスがカビたり、窓や壁がびっしりと結露するなど、不快なだけでなく健康面でも心配になります。スケルトン状態にすると、これらの要因となっている乏しい断熱を強化する工事を行うことが出来る貴重な機会となります。また熱の出入りに大変影響している窓は、中古マンションの場合、大抵シングルガラスが多いので、真空ペアガラスに変更したり、室内側に新たにインナーサッシを付加したりするなどの対策をとることで断熱性と防音性、そして結露にと大幅な改善が見られます。通風対策とともに、これらの対策を施すことでマンション特有のカビや結露から家族を守ることになりますので、地味な部分ですが何よりも大切な部分ですので決して手を抜かないことです。

中古マンション購入の注意点

フルリノベーションのためのコンクリートの躯体むき出し状態であるスケルトン

間仕切りや仕上げだけでなく古い配管・配線なども全て撤去し、コンクリートの躯体むき出し状態(スケルトン)のゼロからのスタートとなります。

見栄えよりも性能を重視した結露やカビのない室内を作るための断熱材をつけた壁

外壁面などは現場発泡吹きつけ断熱材で充埴して、結露やカビのない室内へ。見栄えよりもまずは性能を上げることが大切。

リノベーション目的として中古マンションの購入をお考えの方に気をつけて頂きたいことがいくつかあります。

●築年数
やはりまずは築年数ですね。構造体の状態、耐震性などは慎重に吟味することは言うまでもありませんが、古くなるほど、床のコンクリート厚さなどが薄いとか、設備の配管ルートなどの問題も多いのですが、それらがリノベーションにどう影響するのか皆さんが内覧しただけでは勾論分かるものではありません。残念ながら不動産屋さんの経験値では限界もありますので、必ず契約前には専門家には相談するようにしてください。

●マンションの管理規約
また、マンションの管理規約など、改修する際にそのマンション特有の色々な取り決めも存在します。買ってはみたものの、様々な条件・制限によって思ったようなリノベーションが不可能では困るので、規約に目を通すだけでなく、管理事務所や組合の担当者に実際のポイントなどをヒヤリングすることも大事なことです。

●ご近所
そしてもう一つ大事なポイントでも忘れがちなのが、部屋に隣接するご近所のお人柄です。マンションに限ったことではありませんが、戸建とは違い10数センチ程の壁や床一枚を介して暮らすわけですから。ですが正直なところ、人となりをご挨拶程度では判断することは難しいとは思いますが(苦笑)、高い投資をして永く住むことになる訳ですから、何よりも重要な判断基準といっても過言ではありません。
売主さんから情報を頂いたり、ご自分達で訪問してみたり、日時を代えながら周囲の環境も含めて普段のご様子など、出来る限りの確認をされることをお勧めしています。

さて、中古マンションをリノベーションするメリットやポイントを幾つかご紹介しましたが、紙面の関係上、今回はここまで・・(笑)。次回は本題となる木をふんだんに用いた自然素材によるフルリノベーションの実例などを交えてご紹介したいと思いますのでお楽しみに。

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