WORKS #100閑日の栖

scroll

閑日の栖逗子市 U邸｜新築

逗子市久木の閑静な住宅街。この穏やかな街並みに溶け込むように建つ延床47坪の住まい「閑日の栖（かんじつのすみか）」は、庭の緑を眺めたり、お気に入りの本を読んだり、薪ストーブの火を愉しんだり……そんなゆったりと流れる日々（閑日）を過ごしてほしいという願いから、この名は付けられました。

外観は、周囲の景観に配慮し、白色火山灰を掻き落とした「そとん壁」と板張りを組み合わせ、優しく穏やかな佇まいに仕上げています。南西には駐車場から直接アプローチできる屋根付きの広いサービスヤードを設け、雨の日でも快適な裏動線を確保するなど、日々の利便性も大切にしています。

室内は、将来を見据えて1階だけで生活動線が完結する間取りを採用しました。
中心となるのは、家族みんなで料理を楽しめるセパレート型の広いアイランドキッチン。上部は大きな吹き抜けとなっており、降り注ぐ光が空間全体を明るく包み込みます。一方で、ダイニングやリビングはあえて天井高を抑えることで、開放感と落ち着きというメリハリのある空間構成を実現しました。特にリビングコーナーは「溜まり」のような落ち着く居場所としてしつらえ、造作ソファに腰掛けながら薪ストーブの炎や雑木庭の景色を愉しむ、贅沢なひとときを演出します。

2階へと上がると、そこは趣味と眺望を味わう特別な空間です。見晴らしの良い書斎やセカンドリビングに加え、炉を切った本格的な茶道のお稽古ができるモダンな和室を設けました。壁には調湿・抗菌効果のある中霧島壁、天井にはサツマのヨシベニヤを採用し、他とは一味違う上質な空気が漂います。さらに和室からは南の屋根上の物見台デッキへと出ることができ、星空を見上げたり、豊かな森の緑を眺めたりと、非日常的な時間を過ごすことができます。

意匠だけでなく、性能面でも安心と快適さを追求しました。長期優良住宅およびBELS認定を取得し、許容応力度計算による耐震等級3、さらには最高等級の耐風性能も備え、災害への備えも万全です。