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平屋に住みたいと思ったら。

2020. 02. 21家づくりガイド毛利陽子

ゆったりとした時間が流れていそうな平屋は、2階建ての家が多い現在でも根強い人気があります。

平屋には、一体どのようなメリットがあるのでしょうか。デメリットはないのでしょうか。

また、どんなところに魅力を感じて平屋を建てるのでしょうか。
今回は「平屋」について迫ってみたいと思います。

■平屋の家とは?
ご存じの通り、平屋とは「1階建てのワンフロア住宅」のことを言います。マンションのように、玄関からリビング、寝室、水回りなどのすべてがひとつのフロアに収まっている家です。

2階建て住宅が主流ですが、「可能であれば平屋で生活出来たらいいな」 とおっしゃるお客様が増えています。
しかし、そう簡単に平屋は建てられない…、となる声も多く聞きます。
では、どんな困難が潜んでいるのか、平屋のメリット・デメリットと間取りのポイントを整理してみましょう。

■平屋のメリット
メリット①平屋は生活動線が楽
平屋最大の魅力はなんと言ってもワンフロアで生活出来ることです。
平屋ではすべての部屋が1階のワンフロアに集約されているため、上下階の移動が不要で、家事動線もシンプルになります。

メリット②多様な平面計画を実現できる
2階の荷重がない平屋は、自由度の高い間取りを計画できます。
そして階段がないため、余計な廊下やドアが不要で、横方向にも広がりを出すことができます。
また、勾配屋根をそのまま見せて上下方向に大きな空間を作ることも可能です。

さらには、ご家族の成長に合わせて間取りを変更したり、大屋根の小屋裏を生かして大きな収納スペースとしたり、子ども室の上部にロフトを設けたり、平屋に+αの2階スペースを設けた「平屋ベース」という考え方も可能です。

大屋根の長さ7M以上の登り梁を表しにした、平屋ベースの「悠景の家」

大屋根の長さ7M以上の登り梁を表しにした、平屋ベースの「悠景の家」

メリット③バリアフリーの平屋で安心安全な暮らし 
上下の移動がない平屋は、加齢などによる身体機能の低下があっても、階段が無いので踏み外しなどによる事故の心配もなく、身体への負担は最小限で済みます。
これは、小さなお子様がいる場合にも当てはまります。子育て世代にとっては、全ての移動が水平方向で済むシンプルな動線になるので、忙しい家事も、お子様の様子を確認しながらできるなど、平屋には多くの大きな安心感を持てます。
平屋は、世代を選ばない安心の居住性があります。

メリット④家事の負担が減る
上下階の移動がないことは、家事の負担も軽減されます。
一般的な2階建ての家は、お風呂場や脱衣所は1階に設置して、洗濯物を干すのは2階のベランダで…というタイプが多く見られます。ですが、洗濯物は水分を含んでとても重くなり、上下階の移動は大変なものです。

ですが平屋なら、洗濯物を干すのも同じフロアですので楽に干せます。

また、掃除機についても、最近はスティック型のスリムなものが増えてきたとはいえ、数キロの掃除機を持って上下階を移動することに変わりはありません。
平屋なら、掃除機を抱えて移動しなくてもいいので、とても楽に感じられるでしょう。

LDK・水回り・寝室を1階に集約した平屋ベースのお宅「つみきの家」。<br />
2階は子供部屋と納戸のみで、メイン動線は1階のみで完結している。

LDK・水回り・寝室を1階に集約した平屋ベースのお宅「つみきの家」。
2階は子供部屋と納戸のみで、メイン動線は1階のみで完結している。

メリット⑤平屋は構造的に有利
一般的に、建物は重心が低いほど地震に強いと言われています。平屋は2階建てに比べて重心が低く、建物の重量も軽いため、耐震性が高いという特徴があります。

また面積が広く高さが低いため、台風など風の影響も受けにくく、万一の火災などでもサッと逃げやすいというメリットもあります。

周囲の住環境にも配慮して高さを抑え、敷地に馴染む落ち着きのある外観デザイン。

周囲の住環境にも配慮して高さを抑え、敷地に馴染む落ち着きのある外観デザイン。

メリット⑥平屋は家族間のコミュニケーションが取りやすい
平屋は同じフロア内にすべての生活スペースが収まることになります。
そのため、家族で顔をあわせる機会が多くなり、コミュニケーションが取りやすくなります。

メリット⑦平屋はメンテナンス費が安くなる
住宅というのは定期的なメンテナンスが必要です。
2階建てでは、屋根や外壁など高所作業のための足場が必要になります。しかし、平屋の場合は、その足場の高さが半分で済んだり、場合によっては不要とすることができます。これは、長期で考えると大きなコスト削減です。

メリット⑧階段部分のスペースを有効活用
2階建ての場合、一般的に階段や廊下に必要なスペースは4~5畳分と言われています。
平屋は階段を作る必要がないので、その分のスペースを書斎にしたり、趣味の部屋にしたりと、さまざまな使い方が考えられます。あるいは、それらのスペース分だけ床面積を削減すればコストダウンにもなります。

■平屋のデメリットは?
続いては平屋のデメリットについて解説していきましょう。

デメリット①広い土地が必要
平屋は1階建てのワンフロア住宅なので、延床面積が同じ30坪の建物を建てようとすると2階建てよりも当然広い土地(敷地)が必要になります。「ゆったり」「のんびり」した平屋でスローライフを楽しむために、広い庭や陽あたりを確保しようとするとなおさらです。
そして、土地が広いということは、土地代が高くなる、という意味でもあります。
もし、あまり広くない土地に平屋を建てるとなると、間取りについてはかなりの制約を受けることになります。

デメリット②プライベートの確保が難しい
平屋のメリットのひとつに、家族間でのコミュニケーションが取りやすいことがありましたが、逆を言えば、お互いのプライベートを確保するのが難しいというデメリットにもつながります。
リビングを中心としたプライベート空間を確保すると、どうしても音の漏れやテレビの音などがリビングから聞こえてくるかも知れません。
限られた面積でプライベート空間を確保するには、ロフトを作る、廊下を設置する、リビングと個室を離すなどの対策が必要となります。
その辺りは家族の気配が確認出来て安心するというメリットと相反する考え方になりますので、個々の考え方や優先順位が重要になります。

デメリット③陽あたりの確保が難しい
水平に間取りをつなげていく平屋は、建物が大きいほど中心部には太陽の光が入りにくくなり、薄暗くなってしまいます。
細長い形状の建物にして、どの部屋にも窓を設けられるなら良いですが、建物中心部が他の部屋に囲まれてしまう形状の場合、採光と通風に配慮する必要性があります。
たとえば、中庭を設けたり、天窓を取り入れたりして意識的に光を取り入れる間取りがオススメです。

自然光を取り入れるハイサイドライト(高窓)を設置した例。室内からは空が切り取られて見え、外からの視線を避けながら気持ちのいい開口を作ることが出来ます。

自然光を取り入れるハイサイドライト(高窓)を設置した例。室内からは空が切り取られて見え、外からの視線を避けながら気持ちのいい開口を作ることが出来ます。

ハイサイドライトは、内外の圧力差(煙突効果)を利用して、熱くなった室内の空気を効果的に排出させたり、通風窓としても役立ち、温熱環境的にも◎です。

ハイサイドライトは、内外の圧力差(煙突効果)を利用して、熱くなった室内の空気を効果的に排出させたり、通風窓としても役立ち、温熱環境的にも◎です。

デメリット④平屋は防犯に気をつける
平屋は全てが1階で完結しているがゆえに、周囲を通行できたり、窓を通して中がうかがえたり、侵入やのぞきといった防犯面でのリスクが高くなります。
「窓はあるけど、カーテンで閉めっぱなし」という残念な暮らしとならないよう、防犯ガラス仕様にする、センサーライトを設置する、大きな窓にはシャッターや雨戸を付けるなど、防犯対策を検討する必要があります。

デメリット⑤平屋はコストが掛かる?
平屋は、2階建ての住宅と比べて1階層なので材料が少なく費用も安いと思われがちですが、実はそうではありません。
仮に平屋と2階建ての建物が「全く同じ延床面積」で施工する場合、平屋の方が基礎工事の面積も屋根の面積も大きくなるため、その分の工事費が高くなります。
2階に必要だったトイレや階段が不要になるなど、予算を削減できる要素もありますが、基礎工事や屋根で大きくなってしまった金額を埋めるほどではないため、平屋の方が割高になる傾向は否めません。
しかし、実際には階段と廊下が不要となる分、延床面積を小さくできたり、その分の面積を他の用途に使うことができます。

■まとめ
「ワンフロアで完結した暮らしを実現したい」と考えている人にとって、平屋はとても魅力的です。
ですが、土地の面積や建築コストの問題で実現が難しいケースもあるでしょう。
その中で、上記にも出てきた「平屋ベース」というプランも最近増えている手法です。これは、基本的には平屋の考え方で1階にメインの部屋を構成し、2階に子供部屋やロフトをプラスするという間取りで、2階建てでも平屋同様の生活を送ることができます。
将来のライフスタイルを踏まえ、平屋のポイントを上手く取り入れつつ、機能的な暮らしのカタチをご検討ください。

「風趣の家」構造見学会 in横浜市金沢区

日程
2020年02月23日(日)
時間
AM10 : 00 ~ PM 4:00
場所
神奈川県横浜市金沢区富岡西
備考
無駄な動線や余計なスペースは最小限に。できるだけ家事はスムーズに、ご家族の団らんや趣味、そして住みやすさを最大限に考えた、平屋ベースの終の棲家です。

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