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土間のある豊かな暮らし

2020. 12. 09家づくりガイド毛利陽子

土間とは「屋内でありながら靴を履いて使用する中間領域」を指します。

古い日本家屋では、「土間」や「縁側」が必ずと言っていいほどあり、それらには家の中と家の外をやんわりとつなぐ役割がありました。

座敷の側にある板張りの「縁側」では、庭を眺めたり、太陽の光や風を感じながら昼寝をしたり、お茶を飲んだり。
室内にありつつも外のような使い方ができる「土間」では、水仕事や農具の手入れ、そしてお客さんをもてなしたり、商家では商売をしたり。

そんなやんわりとした曖昧な空間を、日本人は長く大切にしてきました。
室内でもあり、室外のような。
曖昧さを美徳とする日本人の感性が現れているようです。

現代ではシューズクロークがある玄関スペースが一般的ですが、
最近は、様々な使い方ができる土間の魅力が再認識され、土間をもうけたプランが増えています。

今回はそんな「土間」のある暮らしについてご紹介します。

ペレットストーブを設置した玄関土間。お友だちとのコミュニケーションの場としても活躍。

ペレットストーブを設置した玄関土間。お友だちとのコミュニケーションの場としても活躍。

土間の楽しみ方

土間は家の内部にありながら屋外ともいうべき「しなやかな場所」です。
その柔軟な空間は、具体的にどのように使えるのでしょうか。

●趣味に活用できる
鎌倉、逗子、葉山などは、海にも自然にも恵まれた場所です。
サーフィンや釣り、キャンプ、自転車、バイク、登山などを趣味にしている方も多いのではないでしょうか。
そんな方々にぴったりなのが、土間スペースです。

家の中であっても、水濡れや砂や泥を気にすることなく道具のお手入れをすることが可能です。

また、土間はそれらの道具を飾ったり収納できるスペースにもなります。
好きなものを好きなときに眺めることができ、家の中で保管することで盗難の防止や雨風の心配もありません。

●ペットや植物のスペースに
土間部分をペットスペースとすることで、ペットの排泄物や毛のお掃除がラクになります。

また、観葉植物の設置場所としても適しています。
水やりの際に水がこぼれてしまっても掃除が簡単です。
家庭菜園やガーデニングは、「土」とは切っても切れない関係で、
必要な道具や資材には土がついてしまいますので、これらを保管する場として土間があるととても便利です。

また、プランターや鉢を使ってガーデニングを楽しんでいる方にとって必要なのが、台風など風が強いときにそれらをしまう場所ですが、
土間でしたら土がついたものを屋内に持ち込む際にも気にせずに済みます。

●くらしの役に立つ
シューズクロークの他、雨具やコート、外出するときに使うものを土間収納にまとめて置いておくと、
外出時にあちこち取りに回って慌てることもなく、お出かけ準備がさっと済みます。
お子さんが小さいときは、ベビーカーはもちろん、抱っこ紐や外遊び用のおもちゃ、大きくなったら部活道具をひとまとめにするのも良し。
他にもちょっとした資源ごみ置き場としてや、防災用品のストック置き場などにも活用できます。

●安全な遊び場
季節や天候、防犯面を心配することなく、屋外のように使える場所として、子どもの安全な遊び場・ペットの遊び場としても重宝します。
そのほか、お友だちやご近所さんとの軽いコミュニケーションの場としても使えます。

●薪ストーブ・ペレットストーブと相性がいい
モルタルやタイルは素材自体の蓄熱性が高いので、ストーブの輻射熱を土間に蓄熱させることにより、土間を快適な空間にします。
また、土間はススなどの掃除がしやすく、薪やペレットの燃料も置けるので補充しやすいメリットがあります。

実例紹介① 好きなものに囲まれて暮らす土間

リビング続きで、大容量の収納付きの土間空間。
ご夫婦の趣味の山の道具を並べて、何がどこにあるか一目でわかるようにした収納です。
扉を付けて仕舞い込むのではなく、道具を見ていたい・眺めていたいというご要望でした。
スキー板のメンテナンスも行える広さがあります。

珪藻土仕上げの土間。

珪藻土仕上げの土間。

実例紹介② 通り土間のある家

玄関からリビング・庭まで、廊下代わりの土間が続く「通り土間」が特徴のお宅です。
家庭菜園の野菜を置いたり、土間が大小様々なワークショップやイベントを催せるスペースとなっています。
また、土間を挟むことで和室は離れのような印象的な空間になりました。

玄関入って正面に続く通り土間。玄関からリビングの様子は見えず、プライベートも確保しています。

玄関入って正面に続く通り土間。玄関からリビングの様子は見えず、プライベートも確保しています。

通り土間でリビングを象徴的に分け、和室も離れのような印象に。

通り土間でリビングを象徴的に分け、和室も離れのような印象に。

実例紹介③ 自転車を置ける土間空間

隠れ家的な土間では、趣味の自転車の整備を楽しむことができるサイクルヤードに。
土間には手洗いコーナーも用意しています。
お施主様ご自身で机や棚をDIYし、自分仕様にカスタマイズされています。

玄関脇にしつらえたサイクルヤード。壁を板張りにして山小屋風に。

玄関脇にしつらえたサイクルヤード。壁を板張りにして山小屋風に。

実例紹介④ デスクを配し居室のような空間に

軽量鉄骨系ハウスメーカーの中古住宅をリノベーション。
使うことが少ない玄関前の客間を、玄関からリビング・庭へと続く「通り土間」にして、リビングの一部に取り込んだ間取りです。
お施主さまチョイスの土間タイルによって個性的に仕上がりました。

土間部分には床暖房を敷設して冷え対策も万全。

土間部分には床暖房を敷設して冷え対策も万全。

実例紹介⑤ トレーニングできる吹き抜けのある玄関土間

気軽に自宅でトレーニングができるよう、土間をホームジム化して活用。
寝る前に、食事前に、帰宅後すぐに…と自分のタイミングで気軽に行え、汗をかいても気にせずにトレーニングできます。

実例紹介⑥ 象徴的な光が差し込む静謐な玄関土間

訪れる人を感動させる玄関土間を狙うのも◎。
玄関扉を開けた正面に中庭を設け、広がりと明るさを生み出し、象徴的な自然光を演出。
シンプルなしつらえで、静謐な空間に仕上げています。

大谷石敷きの玄関土間。

大谷石敷きの玄関土間。

土間のある家で注意しなければならないこと

では土間をつくる場合、デメリットはあるのでしょうか。

これは「冷えやすさ」と「広さのバランス」という二点が挙げられます。
そこで注意すべき二点をご紹介します。

①土間部分の断熱をしなければ冷える
土間をつくる場合、もし土間部分に断熱施工がきちんとされていなければ、室内の熱が外へ外へと逃げ出すことになり、土間部分からどんどん冷えることになってしまいます。
夏ならまだしも、真冬に底冷えするような場所となれば、せっかく実用面でのメリットがあっても使いづらい場所になってしまいます。
そのためには土間部分にしっかりとした断熱施工や、床暖房の敷設をお願いしましょう。

②計画的な設計が必要
土間を作る場合、設計の段階できちんとした「土間と居住スペースとのバランス」を検討する必要があります。
玄関土間を広くつくれば、その分その他の居室の広さを譲ることになります。
家の間取りで広さを上手に配分するには、玄関土間で「何をしたい」「何を置きたい」など使用目的や優先順位を整理して、設計者にしっかりと具体的なイメージを伝えましょう。

酸化黄土を混ぜたモルタルを掻き落として仕上げた玄関土間。ペレットを配置して蓄熱も期待。

酸化黄土を混ぜたモルタルを掻き落として仕上げた玄関土間。ペレットを配置して蓄熱も期待。

まとめ

いかがだったでしょうか。
「土間」はあるだけで暮らしを豊かに楽しくしてくれる大きな存在になっていたかと思います。

自分たちらしい自由な使い勝手ができる土間は、まだまだたくさんの素敵な使い方や可能性を秘めているはずです。
ぜひ、皆さんもご自宅の間取りを考える際には、土間があったらどんな暮らしになるのかとワクワクしながら考えてみてはいかがでしょうか。
自分の暮らしにフィットする土間づくりを楽しみましょう!

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