「雑木の庭」を楽しむ
2021. 06. 04 | 木成りの家 |
先日、8年前に完成した「葉山NOOKモリノイエ」お宅へ伺いました。
今では「雑木の庭」というと市民権を得た感のかる今日この頃ですが、当時はまだナニそれ?っというほどでした。
こちらを手掛けてもらったのが千葉の高田造園の高田さん。
彼自ら手入れに来てもらっていたので、顔出してきたわけです。
じつは高田さんが9年ほど前に出された本
「これからの雑木の庭」
が今回装いも新たになり、発売したてですが、今回その表紙に選んでもらったのが、たまたまですがこちらの葉山のお宅です。
緑のある暮らしと雑木の庭の魅力が詰まっています。良かったらぜひ。
そして8年後の今はまるで軽井沢のようです。
まさに「雑木林」となってきました。
庭は木陰が多く、陽射しの照り返しもなく、涼しい風が通り抜けていきます。
土の下という目に見えないところに手をかける成果がしっかりと数年後に出てきます。
完成時の生け花的な植え方ではなく、長く愛着をもって付き合うための施しを先を見据えて行う覚悟と勇気が試されますね。
今では行政や団体からのアドバイザーや講演などもこなす造園業界では超有名人の高田さんですが環境問題にも精通して、NPO法人地球守なども雑木の庭づくりの仕事と並行して手掛けています。
独りよがりではなく、環境を考えて戸建ての庭も考えることで良い街並みや未来の暮らしにも寄与する信念は本当に素晴らしいです。
さて、こおような雑木を植えた庭は月日がたつほどに四季を通して多くの恩恵を与えてくれてます。
・夏はこのように葉が生い茂り、避暑地のような涼しさでエアコンいらずだそう。
・冬は落葉して、室内に陽射しがふんだんに入り、それだけで十分に暖かいと。
ここで言っておきますが、決して性能は疎かにしていません(笑)
北村建築工房では、温熱環境や気密性能も現地試験やシュミレーションで性能チェックをして基準を設けて家づくりをしています。それはもちろん、ポエムではない、暑さ寒さを見える化として大切なことですし、すべきだと思います。
ただ、性能値それだけではなく、
また家だけで頑張るのでもなく、
決して特別なことをせずとも
「敷地全体でパッシブデザイン」
を考えることで豊かで快適な暮らしは実現するということを改めてこのような機会があるたびに感じるわけです。
勿論、敷地の広さや近隣、環境状況に加えて日常の手入れや費用面など課題も多いのが外構ではありますが、緑のある暮らしは、家の広さや便利さとは違う心の豊かさを手に入れることが出来るものだと
考えています。
是非、ささやかでも構いませんので、外に意識を向けて緑や庭のある生活を目指してみてくださいね。