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珪藻土 VS 漆喰 どっちが良いの?

2023. 01. 13家づくりガイド毛利陽子

内装仕上げを塗り壁にしたいときの材料の代表として、「珪藻土」と「漆喰」があります。
どちらも自然素材で、ビニールクロスより体に良さそう、というイメージはありますが、
実際のところ「違いはなに?」「どっちがいいの?」というご質問もよく受けます。

それぞれどのような違いがあるのか、珪藻土と漆喰の特徴をまとめてみました。

主原料が異なる

<珪藻土>
珪藻(藻の一種)という植物性プランクトンの化石が主原料です。
珪藻土は非常に細かい穴が無数にあいた多孔質素材で、この穴が様々な良い効果をもたらしてくれます。

珪藻土は耐火性が高く、耐火レンガの原料や七輪に使われています。
近年では高い吸水効果を利用して、コースターやバスマットなどにも幅広く商品化されています。

珪藻土そのものには固まる性質がないので、壁材の場合は泥や繊維などの固化材を混ぜます。

<漆喰>
漆喰は消石灰(水酸化カルシウム)が主原料で、石灰石(炭酸カルシウム)を1000度以上の高温で熱したものが消石灰です。
イメージしやすいものとして、学校のグラウンドに引く白線が消石灰です。

そこに水・のり・繊維等を加えて練り上げたものが漆喰となります。

消石灰は、空気中の二酸化炭素を吸収し続け、ゆっくりと時間をかけて石灰石に戻ります。その時間はおおよそ100年。この長い間、住まいの壁として使い続けることのできる堅牢性・耐久性の高さも漆喰の魅力の一つです。

また、水に強い漆喰は外壁材としても使用でき、お城や蔵の壁に使われています

塗り壁はクロス貼りのような継ぎ目もなく、すっきりと上質な仕上がりです。

塗り壁はクロス貼りのような継ぎ目もなく、すっきりと上質な仕上がりです。

質感

珪藻土は、骨材を練り込んでいる関係で、いわゆる「ゆず肌」と呼ばれる表情になります。
対して漆喰は原料の粒子が細かいので、「ツルッ」とした仕上がりになります。

珪藻土ー近づいてみるとブツブツした鉱物が見えます。マットな仕上がりです。

珪藻土ー近づいてみるとブツブツした鉱物が見えます。マットな仕上がりです。

漆喰―ツルンとなめらかで、ツヤがあります

漆喰―ツルンとなめらかで、ツヤがあります

塗り壁のコテ感。弊社ではあまり荒々しい強調するようなコテ波はつけず、おだやかに仕上げています(写真は珪藻土壁)

塗り壁のコテ感。弊社ではあまり荒々しい強調するようなコテ波はつけず、おだやかに仕上げています(写真は珪藻土壁)

調湿効果

珪藻土と漆喰は共に調湿力に優れ、空気中の湿気が多いときには湿気を吸い込み、乾燥しているときは湿気を放出するので、湿度を40~60%に保つと言われます。

中でも天然の多孔質材料である珪藻土の方がより調湿力が優れていて、漆喰のおよそ1.2倍の性能があります。

そのため、湿度の高い谷戸の地域や、湿気でこもりやすい部屋などには、調湿力の高い珪藻土を塗るのがオススメです。

※ただし、湿気を含んだままの状態が長く続くと限界を超えてカビの発生も免れないので、換気や風通しを良くして吸った湿気を放出させ、良い効果を持続させてあげましょう。

消臭効果

珪藻土の持つ多孔は調湿効果のメカニズムと同様に、嫌な臭いを湿気と共に吸着し、人間が気にならないレベルにまで分解してくれます。
においの原因には、昨晩の焼肉、煙草、洗濯物、ペットなど、多くのものが存在しますが、これらのほとんどが水に溶ける水溶性の分子に付着しているもので、珪藻土は水溶性のにおいのものの分解を得意としています。
さらに、トイレのアンモニアやシックハウスの原因物質であるホルムアルデヒドも消臭してくれます。


漆喰はアルカリ性なので、汗臭、皮脂臭、加齢臭、靴のにおい、生ゴミ臭など、酸性のにおいに強いとされています。
そのため、焼肉、煙草、水あか、石鹸かす、さび等のアルカリ系のにおいはやや苦手なようですが、珪藻土と同じように水溶性のにおいも水蒸気と一緒に漆喰の壁に吸収されるので、複合的に消臭してくれます。
漆喰も
ホルムアルデヒドを吸着・分解する働きがあります。

耐久性について

珪藻土を塗り壁材として使うときは珪藻土に石灰やのりなどを混ぜるので、砂壁のようにパラパラと崩れることはありませんが、強くものをぶつけたりした場合には、剥がれる可能性があります。(ただし、珪藻土は簡単に部分補修が可能です)

一方、漆喰はゆっくりと石灰石に戻っていく「気硬性」があるので、徐々に岩のような硬い壁になり耐久性が高いです。
水にも強いので、外壁にも塗れます。

珪藻土は水に弱いため外壁には使用できず、室内壁のみの施工です。洗面・トイレ周りで使用する分には問題ない素材です。

漆喰壁の施工例。引いてみると珪藻土壁と同じように見えますが、実物を見ると漆喰らしいツヤ感があります。

漆喰壁の施工例。引いてみると珪藻土壁と同じように見えますが、実物を見ると漆喰らしいツヤ感があります。

耐火性について

漆喰と珪藻土は防火性に非常に優れているため、万が一の火災の際にも火が燃え広がりにくく安心です。
建築材料の防火性は、建築基準法によって次の3つに分類されています。
  不燃材料 / 準不燃材料 / 難燃材料

この中でも漆喰と珪藻土は、最も防火性が高いとされる不燃材料に分類されています。

※商品によっては不燃の認定を受けていない製品もありますので、商品仕様をよくご確認ください

抗菌・防カビ

珪藻土は湿気によるカビ・ダニの抑制はできますが、抗菌性はありません。
反面、漆喰は強アルカリ性でカビの発生を抑制する働きがあり、高い抗菌性能があります。

しかし、漆喰は年月をかけて少しずつアルカリ性から中性へ変化し、防カビや抗菌の効果は低下していきます。

新築当初は漆喰に軍配が上がりますが、その後はあまり変わりません。

価格(コスト)

どちらの塗り壁もビニールクロス貼りに比べて材料代も高く、多くの手間や作業工程がかかるため、費用はどうしてもかさみます。
珪藻土と漆喰ではほぼ同等の価格です。

(参考)珪藻土・漆喰以外の塗り壁材のご紹介

珪藻土、漆喰以外の選択肢として、火山のマグマからできた『シラス』を原料とした塗り壁もあります。

シラスはマグマの超高温で焼成された高純度無機質セラミック物質で、マグマが岩石となる前のサラサラした粉状です。主成分は多孔質の珪酸で、珪藻土と同様の優れた調湿機能があり、においや化学物質の分子も吸着します。

高千穂シラスさんの「薩摩中霧島壁・中霧島壁ライト」は、シラス以外の混合剤も100%自然素材で、漆喰や珪藻土と同じような質感を表現でき、温かみのある雰囲気にしてくれます。

シラス壁については、また改めて特集ブログでご紹介しますね。

シラスを原料とした中霧島壁。性能も良く、空間になじむ落ち着いた色が揃っています。

シラスを原料とした中霧島壁。性能も良く、空間になじむ落ち着いた色が揃っています。

まとめ

最後に、珪藻土と漆喰を表にしてまとめてみます。

どちらも自然素材を原料としており共通点も多いですが、湿度の高い地域に住む方や健康面にも配慮したい場合は「珪藻土」、滑らかな質感や耐久性を重視したい場合は「漆喰」が優れています。

ただし、どちらも世の中には沢山の製品が販売しており、珪藻土壁・漆喰壁と表記してあっても結合剤や接着剤として何が使われているかはバラバラで、それによって性能も値段も変わってきます。
中には化学物質系のものが配合されている製品もありますので、各メーカーのホームページなどで成分や性能をチェックしつつ、
家を建てる環境や目的に合わせて、より快適な家づくりとなるものを選択できれば良いですね。

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