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山長商店のこだわり木材、家づくりに最適な理由とは?

2025. 06. 16家づくりガイド毛利陽子

「せっかく家を建てるなら、木の香りに包まれる、“本物の木”を使いたい」
そんな暮らしに憧れながらも、いざ家づくりが始まると「素材の選び方」に迷ってしまう方は少なくありません。

ましてや家の構造材となればそのほとんどが姿が見えず、素材の違いはすぐに見分けられませんし、深く知る機会も少ないです。

そこで今回ピックアップするのは、創業100年を超える紀州の老舗「山長商店」の木材。
山長商店は苗木を植えるところからはじまり、60年以上かけて育て、自社で管理・製材し、厳密な検査を経て出荷されるその徹底ぶりと信頼性の高さから、建築士や工務店からも“指名買い”される存在です。

美しさ・強さ・快適性・持続性、すべてを満たした山長商店の木材の魅力をご紹介します。
「木の家って、なんか良さそう」から、「これが理想の木材だ!」に変わる一記事、どうぞごゆっくりご覧ください。

 

≪この記事を読んでわかること≫

●山長商店の木材は、樹齢60年以上の国産材を使用し、高い耐久性と美しさを兼ね備えている

●JAS認定を取得した品質管理体制で強度・含水率・寸法安定性が保証されており、安心して家づくりに使える

●自社プレカットによる精度の高い加工で、現場でのズレやミスが起きにくく、施工性・仕上がりが安定

●自然素材でありながら高性能住宅との親和性が高く、長く住める家をつくりたい人にとって理想的な選択肢

1. 山長商店とは ①家づくりで「素材選び」が大事な理由

家づくりを考えたとき、まず思い浮かぶのは間取りやデザイン。
でも実は、それと同じくらい大事なのが「素材選び」です。特に、構造に使う木材は家の寿命を左右する存在。
安いからと選んでしまった木材が、数年で反ったり割れたりして、結局リフォーム費がかかる…なんてケースも。

木材は見た目以上に奥が深く、湿気への強さ、強度、経年変化、肌触り… 家の骨幹を担うものだからこそ、選びたいポイントがたくさんあります。

「どこで・どう育ち・どう加工されたか」がちゃんとわかる、
自社の山で育てた樹齢60年以上の桧や杉をしっかり乾燥・検査して届けてくれる、
それが和歌山の老舗・山長商店です。

見た目だけではなく、家の性能・空気環境・安心感までを支える素材として、選ぶ理由がある木材です。

1. 山長商店とは ②創業の歴史と背景

山長商店は、江戸時代から続く紀州の林業に根ざした老舗企業で、創業以来100年以上にわたって日本の木材文化を支えてきました。その長い歴史の中で、時代の変化に柔軟に対応しながらも、「本物の木材」にこだわり続ける姿勢は今も変わりません。

創業地である和歌山県・紀州地域は、良質な杉や桧が豊富に育つ山林が広がっており、山長商店はこの地域資源を最大限に活かしながら成長してきました。特に紀州材は木目の美しさと耐久性に優れ、日本建築に適した素材として高い評価を受けています。

山長商店の強みは、山の管理から製材、乾燥、加工、出荷までを一貫して行う体制にあり、この全工程を自社で担うことで、素材ごとの品質を見極め、製品としての精度と信頼性を確保しています。

戦後の高度経済成長期に住宅の大量供給が求められ、住宅の工業化が進んだ中でも、山長商店はあえて「木を育てる文化」の価値を提唱し、持続可能な林業の在り方を模索し続けてきました。この姿勢は現在の環境配慮型住宅のニーズとも合致しています。

山長商店の歩みは単なる製材業者の枠を超え、日本の木造建築文化と共に歩んできた「木の守り手」としての歴史でもあり、素材への深い敬意と責任あるものづくりが今日の高品質な木材づくりに繋がっているのです。

紀伊半島南部に約6000ヘクタールの自社林を所有する山長商店

紀伊半島南部に約6000ヘクタールの自社林を所有する山長商店

1. 山長商店とは ③国産材へのこだわり

山長商店が最も大切にしている理念の一つが、「国産材へのこだわり」です。
安価な輸入材が市場に多く流通する中でも、地元・紀州産の杉や桧を中心に使用し、日本の気候風土に合った理想的な家づくりを支え続けています。

国産材は、輸送に伴う環境負荷が少なく、湿度の高い日本の四季に適応しています。特に紀州材は、年輪が詰まり、耐久性と美しさを兼ね備えているため、日本建築に最適な木材とされています。

山長商店では、自社保有林および協力山林において計画的な管理を行い、間伐・植林を繰り返す持続可能な森林経営を実践しています。「伐って終わり」ではなく、「育て、使い、また育てる」という森林循環の思想を大切にしています。

さらに、地域の林業者や職人と強い連携を築き、地元経済と技術継承にも大きく貢献しています。地域とともに育つ木材は、単なる建材ではなく、「暮らしの一部」としての意味を持つのです。

木の一本一本に目を配り、木の状態を見極めたうえで伐採・加工を行う山長商店の姿勢は、素材の命を尊重するものづくりの真髄です。輸入材では得られない、安心感と信頼性がそこに宿っています。

植林→(1~10年生)下刈→(15~50年生)除伐→(60年生以上)間伐→伐採・製材→植林… 「植えて育てる」という地道な作業を何十年も繰り返して、 1本の木材が商品化されていきます。これが山を守り、自然環境の保全につながっています。

植林→(1~10年生)下刈→(15~50年生)除伐→(60年生以上)間伐→伐採・製材→植林… 「植えて育てる」という地道な作業を何十年も繰り返して、 1本の木材が商品化されていきます。これが山を守り、自然環境の保全につながっています。

1. 山長商店とは ④品質管理と製材技術

山長商店の木材が高品質である理由の一つが、徹底された品質管理体制です。
伐採から製材、乾燥、加工、出荷に至るまで、全工程において厳格なチェックが行われ、木材一本一本が丁寧に扱われています。

中でも重要なのが乾燥工程
山長商店では「天然乾燥+人工乾燥のハイブリッド方式」を採用し、木材内部の含水率を最適にコントロールしています。これにより、反りや割れを防ぎ、安定した製品が生まれます。

さらに、すべての木材はJAS(日本農林規格)認定を取得しており、寸法精度・強度・含水率といった項目において、厳しい基準をクリア。建築士や工務店にとっても安心して選べる木材として評価されています。

製材過程では最新の自動ラインを導入しつつも、最後は職人による目視選別と手仕上げが欠かせません。機械と人の技を融合させることで、構造材としての信頼性はもちろん、内装材としての美しさも備えた、優れた木材が生まれます。

1. 山長商店とは ⑤建築家・工務店との信頼関係

山長商店の木材が選ばれ続ける理由のひとつに、建築家や工務店との深い信頼関係があります。
単なる資材供給元ではなく、設計段階から相談される存在として、家づくりのプロたちと共に歩んできました。

山長商店は「木のプロフェッショナル」として頼れるパートナーです。用途に応じた樹種や部位の選定など、実践的なアドバイスが得られることが、設計・施工の質を大きく高めています。

また、山長商店は定期的に勉強会や工場見学を実施しており、木材の知識や使い方をプロと共有する場を設けています。こうした継続的な交流が、信頼と理解を深める大きな要因となっています。

木材という「素材」を超えて、「家づくりの仲間」として信頼に裏打ちされた関係性があるからこそ、今も変わらず、数多くの住宅プロジェクトに採用されています。

※山長商店の工場・山林見学ツアーの様子はこちらのページをご確認ください。

紀州「山長商店」の一貫生産のこだわりをこの目で確かめる

2. 山長商店の木材の特長 ①樹齢60年以上の紀州材使用

山長商店の木材の最大の魅力の一つは、樹齢60年以上の紀州材を使用している点です。
長い年月をかけて育てられた木は、年輪が緻密で、耐久性・美しさの両面に優れた素材となります。

この樹齢の長い杉や桧は、年輪幅が細かく、均一であるため、「曲がりにくく」「たわみにくい」=強度が高く、反りや割れが起こりにくいという特徴を持っています。結果として、安定した構造材として理想的な性質を備えています。

施工後の住宅においても、柱や梁などの構造材としての信頼性はもちろん、木の風格と温もりを空間に与えます。

木材は「生きている素材」とも言われます。山長商店の紀州材は、自然の生命力と職人の技術が融合した素材であり、家族を包む住まいの基礎として、大きな価値を発揮します。

スパンの飛んだ空間でも、「数字で裏付け」「構造計算に使える素材」として無垢材を提供できるのは、山長商店の強みです

スパンの飛んだ空間でも、「数字で裏付け」「構造計算に使える素材」として無垢材を提供できるのは、山長商店の強みです

2. 山長商店の木材の特長 ②高耐久・高強度の木材構造

住まいの安心を支える鍵は、何と言っても構造材の強さです。
山長商店が提供する木材は、自然の力と高度な管理技術によって育まれた、高耐久・高強度の優良材です。

とくに紀州桧は、天然の防虫・防腐成分を多く含み、湿度の高い日本の気候に非常に適応しています。土台や柱に使用することで、住宅全体の寿命を延ばすことができます。

山長商店は、国産無垢材として横架材へのJAS(日本農林規格)強度表示を国内で初めて実現しました。
従来「無等級」で信頼性に課題があった国産無垢材も、寸法精度・含水率・強度性能などの厳しい基準をクリアし、構造材として安心して使える品質レベルになりました。

ヤング係数※などの物理的特性もしっかり数値化されており、構造計算に裏付けられた安心感があります。

これにより、耐震等級3や長期優良住宅の基準にも対応でき、地震や台風などの自然災害に強い家づくりが可能に。現代の高性能住宅との親和性が非常に高い点も大きな魅力です。

長く住み継ぐ住まいには、目に見えない部分ほど信頼のおける素材選びが重要です。山長商店の構造材は、100年先も安心できる骨組みを提供してくれます。

一本一本には全て異なるシリアルナンバーが記され、強度と乾燥情報の結果印字。「SD20 E90以上」は含水率20%以下、ヤング係数90以上 という意味です

一本一本には全て異なるシリアルナンバーが記され、強度と乾燥情報の結果印字。「SD20 E90以上」は含水率20%以下、ヤング係数90以上 という意味です

※ヤング係数(ヤング率、E)とは、木材の“たわみにくさ”を表す構造性能の指標で、数値が高いほど強く、変形しにくい木材です 。

山長商店の紀州材では、国土交通省告示無等級材と比べ70%以上がE90以上という高強度を示しており、多くがE90〜E150クラスに分類されます 。

こうした高いヤング率の無垢材を提供できるのは珍しく、大きな信頼ポイントです。

山長商店の無垢材がJAS認定製材品であることは、「見えない品質」を可視化できる安心の証しです。
そしてその強度を裏付けるヤング係数が高い紀州材は、構造的な信頼・長寿命・安全性を兼ね備えた自然素材として、住宅建築にふさわしい選択肢と言えます。

 

2. 山長商店の木材の特長 ③美しい木目と調湿性

山長商店の木材は、構造的な強さだけでなく、見た目の美しさと機能性も高く評価されています。自然が育んだ木目の美しさは、空間にあたたかみと豊かさを与え、上質な住まいを演出します。

とくに紀州産の杉や桧は、年輪が緻密で色合いがやさしく、光を受けたときの陰影が非常に美しく映えます。経年変化による「味わい」も楽しめるため、時間とともに深みを増す素材として重宝されています。

また、木材が持つ天然の調湿作用も注目すべき特徴です。湿度が高いときには湿気を吸収し、乾燥しているときには水分を放出する、「呼吸する壁」のような働きがあります。

この調湿性は、室内の快適な湿度を自然に保ち、カビやダニの発生を防ぎます。機械に頼らず快適な空間を維持できるという点でも、住む人の健康と快適さに貢献しています。

光が木の面に当たることで生まれる柔らかな陰影も魅力のひとつ。山長商店の木材は単なる建材ではなく、暮らしを支える自然そのもの。素材の力がそのまま「住まいの質」へとつながります。

光が木の面に当たることで生まれる柔らかな陰影も魅力のひとつ。山長商店の木材は単なる建材ではなく、暮らしを支える自然そのもの。素材の力がそのまま「住まいの質」へとつながります。

3. 山長商店の木材が選ばれる理由 ①地域材としての安心感

山長商店が提供する木材は、和歌山県を中心とした紀州地域の国産材です。
地域材を選ぶことは、輸送距離の短縮による環境負荷の軽減に貢献します。また、山長商店では、トレーサビリティが明確で、「いつ・どこで育った木か」を確認できる体制が整っており、素材への信頼性が高いです。

紀州の杉や桧は、その土地の気候に適応して育っているため、地元の気候と調和しやすく、劣化しにくいというメリットがあります。地域の木は、地域の住まいに最もフィットするのです。

さらに、地域材の活用は、林業や製材業など地元産業の振興にもつながります。山長商店は、地元職人や山林管理者と連携しながら、持続可能な林業の循環を支えています。素材としての価値に加えて、人と地域のつながりが感じられる木材。それが、山長商店の提供する「安心できる家づくりの土台」です。

3. 山長商店の木材が選ばれる理由 ②高性能住宅との相性

高性能住宅では、断熱・気密ラインに隙間がないことが非常に重要です。
山長商店のプレカットは、ミリ単位の精度で加工されており、現場でのズレや納まり不良がほとんどありません。
そのため、気密性能(C値)にも貢献し、結果として断熱性能も安定します。

乾燥管理されたJAS認定の無垢材は寸法安定性が高く、施工現場での手直しが少ないため、気密シートや断熱材の破損リスクも減らせるというメリットもあります。

ですが、自動化されたプレカットラインでも、人の目による加工前のチェックは欠かせません。
一本一本の部材品質や木裏木表等を確認してから加工することにより、無垢材特有の一本一本の性質の違いを見極め、活かしています。仕入れた材を「どう使ってほしいか」を理解しているからこそ、加工の精度・仕上がりの美しさ・収まりのよさが段違いです。

3. 山長商店の木材が選ばれる理由 ③コストと品質のバランス

家づくりで避けて通れないのが「コストと品質のバランス」です。山長商店の木材は、見た目の価格だけでなく、長期的な視点で考えたときのコストパフォーマンスに優れています。

無垢の国産材は一見高価に思えるかもしれませんが、高い乾燥精度と強度管理によって反りや割れが少なく、施工の手戻りが減るため、トータルコストは抑えられるケースが多くあります。

また、住んだ後のメンテナンス費用にも注目です。耐久性や防腐性に優れた素材は、修繕・交換の頻度を減らすことで、将来的な費用負担の軽減につながります。

山長商店では、自社一貫体制を活かして流通コストを最小限に抑えており、価格に対する品質の高さがプロからも評価されています。必要以上に高価ではない、妥当で納得のいく価格が特徴です。

家は「安く建てて早く壊す」時代から、「長く大切に住み続ける」時代へと移行しています。その土台となる素材選びにおいて、山長商店の木材はまさに理想的なバランスを実現していると言えるでしょう。

まとめ

山長商店の木材は、長い歴史と確かな技術に裏打ちされた国産材のなかでも高品質といえると思います。
紀州の自然環境で育った樹齢60年以上の木は、美しい木目と高耐久性を併せ持ち、一貫した自社管理体制とJAS認定により、信頼のブランドにもなっています。

長く住み継げる安心・安全な住まいを実現するためには、とにかく素材選びが鍵です。
建てる人も「安心して任せられる」、住む人も「家に帰るたびにホッとする」、「いい木材」は、「いい暮らし」のはじまりです。
構造材にこだわるワケ、お判りいただけましたでしょうか?ぜひ「いいモノ」を見極めて安心安全の暮らしを目指してください。

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