平屋ベースの「風趣の家」が完成!完成見学会とお引き渡しでした
2020. 06. 08 | 木成りの家 |
横浜市金沢区の閑静な住宅街にシニア世代のご夫婦二人のための平屋の住まい「風趣の家」が完成しました。
完成見学会はお陰様で早くにご予約で満員御礼。コロナ感染対策のため、30分制限での内部は入れ替え制で受けつけて、33組のご家族にご来場いただきました。お時間が合わずご参加できなかった皆さんにはあたらめてお詫びいたします。ぜひ次回にはごゆっくりとご案内できればと思います。
さて、週末には写真撮影も行い、昨日無事にお引き渡しをさせて頂き、新たな生活がスタート。
1階で暮らせる平屋スタイルで計画したご夫婦の終の住処となる軒の深い平屋の家です。
無駄な動線やスペースは最小限に、それでいてできるだけ家事はスムーズとなるように回遊動線をつくり、音楽や菜園などの趣味を楽しめるように住みやすさを最大限に考えた間取りと、セルロースファイバー断熱と紀州山長商店の60年生の杉桧を構造材に採用した国産材と自然素材に包まれたお宅となりました。
直前の気密試験の結果もセルロース断熱で気密バリアを設けず、玄関も引き込み戸という条件でしたが、0.6c㎡/㎡と想定どおりの性能値でひと安心。
まずは少し現像したてのカットでご紹介しますね。
外観はこちら。大開口の木製サッシが並ぶ南側のファサード。平屋ベースの佇まいは北側のお宅の陽当りも配慮した周囲にも街並みにも優しい住まい。パッシブソーラーシステム「そよ風」を搭載して太陽エネルギーを室内にふんだんに取り込めて家じゅうが温度ムラなく冬暖かい暮らしを実現しています。
大屋根をそのままに、ロフトのような二階まで続く勾配天井のあるリビング&ダイニング。大開口木製サッシにはしまっておける大きな障子をしつらえて、優しい明るさの室内に変わります。必要なところにちょうどいい明りで安らぎながら夜を過ごせるような照明計画としました。
杉の床材や家具天井に貼ったラワン材を日本古来の「柿渋」で仕上げた落ち着いた佇まいで、日々を追うごとに色が変わっていき、良い風合いとなっていきます。純白の珪藻土で光もきれいに廻り、さらっとした室内でじめじめした夏も快適に過ごせると思います。冬は「そよ風」と床下エアコンをうまく使い分け、夏はロフトエアコンというスタイルで一台づつの稼働だけで家じゅうが温度ムラも少なく不快な風も感じることない環境で気持ちよく暮らせる仕組みとなっています。
段差のバリアフリーとともに、大事なのは「温度のバリアフリー」です。年を取られても冬暖かく夏涼しくというストレスのない日々は最重要のテーマでした。キッチンやクローゼットなどはぐるぐると廻れる回遊動線を造ってストレスのない動線を確保しました。
ロフトのような天井を抑えた二階には趣味を楽しんだり、くつろぐフリースペースに。客間として4人の布団も敷けるサイズで畳の間を配置。両サイドにはバックヤードとしての収納スペースを確保して、いつもスッキリとした室内へ。
キッチンや洗面コーナー、TVボードなど什器設備や収納家具も大工造作によるオリジナルのフルオーダー家具で統一させています。既製品だと生産中止や在庫パーツがなくなるリスクがありますが、大工や建具職人による家具だとずっとメンテしながら使いこなしていくことができて、長い目で見れば高いコスパなのが造作家具の魅力のひとつです。好きなサイズで納め方や開け方も自由自在で、皆さんの要望を叶えることができるので、ぜひ家づくりにこだわりたい方は造作家具をお勧めします。
これから新しいしつらえで新しい暮らしとなりますが、決して一新するわけでもなく、今までの慣れ親しんだ暮らし方を大事にしつつ快適性を高めて自然を享受する穏やかな暮らしができる住処になったと思います。障子から感じる明りの移ろいだけでも自然を感じられますね。住まい手のご夫婦にはこのセンシティブな時期にも関わらず、快く見学会や撮影を行わさせていただき本当に感謝です。これから豊かな暮らしを楽しんでいただけたら嬉しいですね。