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快適な在宅ワークを実現するポイント

2022. 11. 21家づくりガイド毛利陽子

新しい生活様式が広まった2020年。
テレワークがひとつの働き方として定着したことで、住まいは「くつろぎ」だけでなく、「働きやすい環境」も求められる場所になりました。この新たな働き方は、おそらく今後も続くのではないかと思います。

今回は、仕事と暮らしを両立する快適な在宅ワークを実現するポイントをご紹介します。

在宅勤務のよくあるお悩み

住まいは「くつろげる空間」に重きを置き、家族のつながりを大切にした、気配を感じる間取りが主流です。
デスクスペースについては、「リビング学習は学力が上がる」という経験談が話題になり、子どもの学習の様子を見守りたいということから、リビングの横にカウンターを設けて、PCコーナーと兼用するというタイプが一般的になりました。

ところが、新型コロナウイルスの感染拡大を機に多くの方が家で仕事をするようになり、いざ自宅でテレワークを行ってみると、このリビングのデスクコーナーでは不便さを感じてしまったという声が多数上がってしまいました。

「くつろげる空間」を守りつつ、快適なワークスペースも実現するために、
まずはテレワークの何が不便だったのか、おさらいしてみましょう。

●●テレワークのよくある悩み●●

・環境が整っていない
・集中できない
・オンライン会議がやりにくい
・家族に気を使わせている
・オンとオフの切り替えがしにくい

テレワークを経験された方はいずれかは思い当たるのではないでしょうか。

環境として、長時間仕事をやろうとすると、それに適したイスが必要です。
ダイニングテーブルでは、やりかけの仕事もそのままにしておけません。仕事によっては資料棚も必要です。

また、家での仕事は家族の気配や生活音が気になり、集中力が途切れがちです。
オンライン会議に家族の姿や声が入り込んでしまったり、背景にも気を使います。
さらに、オフィスと違って上司や同僚の目もないので、つい休憩を長くとってしまったり、反対にダラダラと長時間仕事を続けてしまったりと、モチベーションの持続や切り替えが難しいこともあります。

テレワークの悩みをリストアップすると、自分なりの課題が見えてきます。
生活と仕事という、相反することを両立するために、課題をひとつずつ解決していきましょう!

快適なワークスペースをつくるときのポイント

4つのポイントと実例を合わせてご紹介します。

①目的を整理する

・自分だけの集中できる空間が欲しい
・家族の様子を見ながら作業がしたい
・家族みんなでスペースを共有したい
・家事の合間に効率よく進めたい
・オンライン会議のときだけ、こもれる部屋が欲しい

など、まずはワークスペースを誰がどのように使用するのかを話し合い、整理しましょう。
それによって、用意するワークスペースの形態が変わります。

ワークスペースの空間の作り方は、大きく分けて以下の3タイプがあります。

a.完全個室=クローズドスペース
いわゆる書斎タイプで、しっかり壁で区切り、個室にします。
音も気になりにくく、集中しやすいので、仕事の大半が在宅ワークの方に向いています。
オンとオフの切り替えがしやすいのも、この間取りの魅力です。
狭すぎると閉塞感が出るので、3~4畳前後の広さを目安にしましょう。

個室型のワークスペースはこもり感があり、仕事に集中できます。外や庭の景色を楽しめて、息抜きできると◎

個室型のワークスペースはこもり感があり、仕事に集中できます。外や庭の景色を楽しめて、息抜きできると◎

b.半個室
ワークスペースが緩やかに区切られています。
間仕切り壁にドアを付けない、あるいは間仕切り壁を天井まで上げないなど、本棚やパーティションなどで隣合う部屋とのつながりを残します。

リビングの一角ですが、間に壁を立ててスペースを区切っています。<br />
お互いの気配は感じながらも、落ち着いたスペースになります。

リビングの一角ですが、間に壁を立ててスペースを区切っています。
お互いの気配は感じながらも、落ち着いたスペースになります。

c.オープンスペース
間仕切り壁はなく、LDKなどの広いスペースの一角に溶け込むようにワークスペースを確保します。
小スペースで納まり、比較的安価に作れますが、生活音が聞こえるので集中しづらく、オンとオフの切り替えがしにくいのが短所です。
完全在宅勤務でない場合や、テレワークの合間に家事をしたり、お子さんの様子をそばで見たい、お子さんのリビング学習と兼用したい方におすすめです。

小さなお子さんがいるご家庭では、一緒に並んで仕事・勉強に取り組めたり、家事をしながらでも様子が見れます。

小さなお子さんがいるご家庭では、一緒に並んで仕事・勉強に取り組めたり、家事をしながらでも様子が見れます。

②書類や仕事道具はどれぐらいあるか

ワークスペースに必要な広さと、必要な仕事道具の量を把握しましょう。
収納場所も決めておけば、整理整頓できるだけでなく作業効率もアップします。
しかし、
余裕を見て大きく作ればいいかというとそうでもありません。家はオフィスではないので、家族や生活のための空間が最優先です。
ワークスペースは、快適に使える必要最小限の広さが良いでしょう。

また、周辺収納は大工による作り付けの「造作家具」か、それとも既製品を置く「置き家具」にするか、検討しましょう。
「造作家具」は、自分の欲しいサイズに合わせて、無駄な隙間なく作れます。棚もあとからでも自由に足すことができ、メンテナンスしながら長く使うことができます。
「置き家具」は、その時の状況に合わせてフレキシブルに設置や撤去が可能です。

③適切な照明・コンセント・LAN配線の準備

作業効率に意外と影響を与えるのが照明です。

照明の光源がモニターに反射しないように注意しましょう。
また、光源自体が直接視界に入ってしまう照明器具は、グレア(まぶしさ)を招き、不快に感じることがあります。
光源が見えない照明や、照度(明るさ)、色温度(光の色)にも気を付けましょう。


色温度が高い青白い光=昼光色(6500K)は文字がはっきりと見え、覚醒作用があります。
集中でき、細かい作業をする空間に適していますが、目が疲れやすいので長時間作業する場所には向いていません。

昼間の太陽光に近い自然な白色の光=昼白色(5000K)は、脳を活発にさせ、パソコン作業や勉強を長時間するときなどに向いています。一般的なオフィスの照明は、こちらが多いです。

色温度が低いオレンジ色っぽい光=電球色(2700K)は、温かくやさしい印象でリラックスできます。
アイデアを出したり、何かを想像するクリエイティブな仕事の場合は、色温度が低めの照明で発想力や閃きを高められます。光の量が少なく、目が疲れにくいのもメリットです。

昼白色と電球色の中間で、落ち着いた明るい光=温白色(3500K)は、早朝の柔らかな光の色で、普段使いに最適で自然です。
電球色よりも少し白くて明るいので、電球色では明るさが物足りなく感じる時に選ぶといいでしょう。

 

照明の色温度による光の違い 画像:panasonicさんより

照明の色温度による光の違い 画像:panasonicさんより

LEDライトには、この色温度を調整できる「調色機能」がついている製品もあります。
部屋全体で色温度を調整するか、手元をあてるスタンドで調整するのかも、照明のポイントです。

コンセントは、必要な数を使いやすい位置に設置します。
Wi-Fiは、家電やBluetooth機器等から電波干渉を受け、速度が低下することがまれにあります。
頻繁にビデオ会議をする方は、Wi-Fiだけでなく有線LANも引いておくと安心です。

④実際の使用シーンを想像する

オンライン会議で画面に映る背景が見苦しくないか、生活動線と干渉しないか、想像して間取りを考えましょう。
背景に生活動線があると、オンライン会議中は家族の行動が制限されてしまいます。
LDKなど家族が集う場所との距離感や、家事や育児のことも考慮して検討しましょう。

また、共働き世帯ではご夫婦二人で並んで使用するか、別々の場所が良いのか、考える必要もあります。

実例紹介:視線の抜けをつくって気分をリフレッシュ

在宅ワークには、集中力を高めるだけでなく、気分転換やリラックスがしやすい環境づくりも大切です。
デスクの前に庭や緑を眺められる窓をつけることで、閉塞感のない程よい明るさと開放感がプラスされます。
景色を眺めつつ、長時間に渡って集中して仕事したり、明るく、四季も楽しめる環境になります。

吹き抜け越しに外を眺められる半個室側のワークスペース。<br />
LDKから回遊できる動線で、開放感と独立感の絶妙なバランスを実現。

吹き抜け越しに外を眺められる半個室側のワークスペース。
LDKから回遊できる動線で、開放感と独立感の絶妙なバランスを実現。

和室の一部を掘り座卓にした例。タタミは、ごろりと一息つけることもできます。

和室の一部を掘り座卓にした例。タタミは、ごろりと一息つけることもできます。

ビルトインのカーポートに面した、愛車を愛でながら作業をするデスクコーナー。<br />
LDKとつながる室内窓も設置して、空間につながりをもたせています。

ビルトインのカーポートに面した、愛車を愛でながら作業をするデスクコーナー。
LDKとつながる室内窓も設置して、空間につながりをもたせています。

実例紹介:落ち着いた色合いの内装材で上質感を

モニターを置く位置と、カメラ越しに見える風景を考えて部屋の家具レイアウトや内装を考慮しました。 
スタンドアップでの仕事の仕方もできるように昇降式のワークデスクを置けるようにもして様々なスタイルに対応できるシンプルなしつらえにしました。

床のチェリー材(広葉樹)は、強度が高く傷つきにくいため、キャスター付きの椅子にしても傷付きません。<br />
カメラの背景に映る天井は米ツガ材、壁はシラス壁の中霧島塗り壁で、上質な仕上げで整えました。

床のチェリー材(広葉樹)は、強度が高く傷つきにくいため、キャスター付きの椅子にしても傷付きません。
カメラの背景に映る天井は米ツガ材、壁はシラス壁の中霧島塗り壁で、上質な仕上げで整えました。

実例紹介:家事や子育ての合間にさっと集中できるワークスペース

家族の気配を感じられる程よい距離感で安心して仕事ができる空間が整えば、仕事とプライベートの両立もしやすくなります。

リビングの奥まった場所にある土間タイプのデスクコーナー。<br />
リビングから丸見えではなく視線をずらしてあるので、リビングにありながらも書斎のような独立性が生まれました。

リビングの奥まった場所にある土間タイプのデスクコーナー。
リビングから丸見えではなく視線をずらしてあるので、リビングにありながらも書斎のような独立性が生まれました。

リビングの畳コーナーと、キッチン・パントリーからの裏動線をつなぐ0.75坪のワークスペース。<br />
扉で仕切れば完全個室に。小さな空間の心地よさも捨てがたいものです。

リビングの畳コーナーと、キッチン・パントリーからの裏動線をつなぐ0.75坪のワークスペース。
扉で仕切れば完全個室に。小さな空間の心地よさも捨てがたいものです。

実例紹介:わずかなスペースでも可能

テレワークスペースは必ずしも広い必要はありません。
仕事に足りる面積の机とイス、コンセントなど必要な設備があれば、わずかなスペースでも立派に機能します。
階段下やロフト、デッドスペースになりそうな場所も、意外と有効活用ができるかもしれませんよ。

天井高1.4mのロフトでも、デスクとイスがぴったり納まります

天井高1.4mのロフトでも、デスクとイスがぴったり納まります

階段下の狭小スペースを利用したデスクコーナー。本棚もついています。<br />
リビングに背を向ける形で、家族の気配を感じながらも作業に集中。

階段下の狭小スペースを利用したデスクコーナー。本棚もついています。
リビングに背を向ける形で、家族の気配を感じながらも作業に集中。

実例紹介:廊下を廊下で終わらせない!

専用の空間をとることが難しい場合でも、2階ホールにカウンターと棚を作り付ければ、立派なワークスペースになります。
リビングとも少し距離を取りながら、でもつながりながら、もはや廊下の一角とは思えない仕上がりです。

2階の階段ホールを少し広くとってデスクコーナーに。<br />
リビングと離すことで、集中できるこもり感のあるスペースです。

2階の階段ホールを少し広くとってデスクコーナーに。
リビングと離すことで、集中できるこもり感のあるスペースです。

1階のリビングとは障子で仕切っています。<br />
寝室とひと続きのレイアウトにしたことで、2階ホールが部屋の一部のような空間に。

1階のリビングとは障子で仕切っています。
寝室とひと続きのレイアウトにしたことで、2階ホールが部屋の一部のような空間に。

吹き抜けから階下を見下ろせるようにしつらえたワークカウンター。<br />
目の前には大きな窓があって見通しもよく、仕事をしたり、読書をしたりするのにぴったりな空間です。

吹き抜けから階下を見下ろせるようにしつらえたワークカウンター。
目の前には大きな窓があって見通しもよく、仕事をしたり、読書をしたりするのにぴったりな空間です。

テレワークを機に、鎌倉・逗子・葉山などの湘南地域へ移住される方も増えています。

計画する場所や佇まいを配慮しつつ、家族との程よい距離感や、家事動線との関係なども考えなければなりません。
ぜひ、将来の可能性も含めて、しっかりとご家族で話し合ってみてください。

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