優しい光のある生活。障子のすすめ。
2023. 09. 26 | 家づくりガイド |
「なんだか落ち着く」
障子越しの優しい光に、そう感じたことのある方は多いのではないでしょうか?
日本伝統の建具で、古いイメージを持たれがちな障子ですが、いま採用される方が増えています。
今回はそんな障子の魅力をご紹介したいと思います。
障子のメリット
■ほどよく光を受け入れる
障子紙の光の透過率はおおよそ40~50%といわれ、夏の強い日差しや西日が照りつけても、
適度に光を受け止めて居心地のよい空間を守ってくれます。
射しこんだ光を均等に拡散し、どの方向から見ても均一で美しい光となるのが特徴です。
さらに、カーテンやブラインドでよく見かける「窓枠の両側にできる隙間」がないため、光が漏れてしまうこともありません。
■張替えができ、長く使える
障子の良さは、何と言っても張替えが出来ること。そして、枠さえ壊れなければずっと使い続けられることです。
もし穴が開いてしまったら、穴隠しの補修紙をお子さんと一緒に貼ってみたり、全体を張り替えると気分も一新できます。
■断熱性がある
カーテンやブラインドは窓の上下左右に隙間ができ、そこから冷気・暖気が室内に流れ込んでしまいます。
一方障子は隙間が少ないため、窓と障子の間に空気層を作りだし、断熱性を高めることが出来ます。
障子のデメリット
■破れやすい
和紙でできているため、少し力を入れて触ると破れてしまいます。
特に小さなお子様やペットをがいるご家庭はとても悩ましい問題ですね。
しかし今では、和紙の風合いはそのままに、破れにくく水に濡れても強い強化障子紙という製品や、
和紙を樹脂でラミネートしたパネルタイプもあり、
小さなお子さんやペットのいるご家庭でも気軽に障子が取り入れられるようになっています。
※破れにくい和紙は化学繊維を含んでおり、完全な自然素材ではなくなってしまうため、採用の際はご確認ください。
■張替えが一苦労
小さな障子の張替えは、比較的簡単に行うことが出来ます。
しかし、リビングなどに付いている大きな障子は張替える場所を確保するもの一苦労。
床が汚れないように新聞紙を敷いたり、既存の和紙を綺麗に剝がしたり、シワが出来ないようにピシっと張ったり。
十分に気合を入れないと、なかなか張替えるところまで辿り付けなさそうですね…
そんな時は、イベントごとにして家族やご友人と一緒にやってみるのがおすすめです!(我が家はそうしてます)
吉村順三氏の障子
弊社がよく使っているのは「吉村障子」というデザインです。
建築家の吉村順三氏がデザインした障子で、
框(障子本体の外枠の部分)と組子(障子内を区切る材のこと)の寸法を18㎜で統一しています。
そうすることで、複数の障子を並べても1枚の大きな障子に見え、無駄のないすっきりとした印象を与えてくれます。
また、このようなデザインは和室だけでなく洋室や和モダンな空間にも数多く採用されるようになりました。
まとめ
障子のメリット・デメリット、吉村障子のご紹介をさせていただきました。
自然の光を美しく纏うだけでなく、夜は室内の明かりを上品に反射してくれる「障子」。
暮らしの一部にそんな風景があるのは、とても素敵なことだと思います。
手間ひまかけて育てる建具、是非愉しんでみてください!