天龍焼杉のススメ
2023. 02. 06 | 家づくりガイド |
家づくりを検討される方ですと一度は悩む外壁材。塗り壁・木板貼り・ガルバリウム鋼板・・・など選択肢が多い上に、初期コストや耐久性、メンテナンスのしやすさなど考えなければならないことがたくさんあります。
さらにお家の顔になる部分のため、外壁材を何にするかで、家の印象ががらりと変わってしまいます。
弊社で扱う外壁材の中でも多くの問い合わせや販売・施工相談をいただき、湘南エリアでもこの数年でブームになりつつある外壁材「天龍焼杉」について、木板貼りや一般的な焼杉との違いは何か、天龍焼杉の魅力にせまっていきたいと思います。
目次
- 1. 焼杉とは?
- 2. 板貼りのデメリットを克服する焼杉
- 3. 普通の焼杉と天龍焼杉は何が違うの?
- 4. 天龍焼杉は焼き方が特徴的
- 5. 天龍焼杉は全国に認定施工店がある
- 6. 街の景観をつくる魅力的な風合いと佇まい
焼杉とは?
「焼杉」 とは杉板の表面を焼いて焦がし炭化層を人為的に作った木板です。
西日本を中心に昔から使用されている技法で、外壁の下見板や土中に埋まる土留め板などに使用されることが多い、日本の伝統的な仕上げ材です。
あらかじめ表面を焦がして炭化させることで、初期の着火性を低くし延焼から建物を守る役割を持ちます。
(炭は木材よりも着火点が高いです)
また風雨による木材の腐朽を防ぎ、板の劣化を遅らせる働きもあります。
(炭自体は腐ることがないので、焼いていない物と比較しても腐りにくいです)
板貼りのデメリットを克服する焼杉
優しい風合いが魅力的な板貼りですが、塗装した場合はメンテナンスが定期的に必要となります。
塗り直しや足場代などを考えると計画的にメンテナンス費用を貯蓄していないと痛い出費となってしまいます。
対して焼杉は、表面を炭化させた独特の風合いで塗装の必要がありません。
質感と表情が魅力的な焼杉も経年変化により炭の部分は徐々に剥がれていきますが、剥がれたあとは浮造りのような木目になり、2度愉しむことができます。
さらに炭化層のコーティングのおかげで、通常の板貼りよりも長持ちする、自然の保護手法で耐久性のある外壁材です。
普通の焼杉と天龍焼杉は何が違うの?
一般的な焼杉用の杉板が9mm程度なのに対し、天龍焼杉で使用する杉板は、18mmと十分な厚さで製作するため、反りや割れが少なく、炭化部分が深くでき、他には無い特徴ある外観となります。
年月を重ねていくと表面の炭は落ちますが、天龍焼杉は手焼きで手間を掛けて焼くことで、表面の炭化層を固くしているため、機械焼きに比べてブラシでこすっても簡単に落ちません。
表面の炭化させた部分は、経年変化により自然に剥がれていきます。
そして徐々に木目が浮き出た「浮造り」となり表情が変化していきます。
天龍焼杉は焼き方が特徴的
殆どの製品が工場ラインでバーナーなどで焼くものが多いなか、天龍焼杉は杉板を三角形にして煙突効果を起こし、その内側を焼くことで仕上げていく工法です。
手間はかかりますが、炭化層が厚く固くなる為、機械焼きに比べ剥がれ難くなっています。
はじめて見る人は「焼き過ぎでは!?」と驚くぐらい炭化層が膨らんでます。
表面が炭化するため製品の厚さには多少ばらつきがあります。
天龍焼杉は全国に認定施工店がある
天龍焼杉は1枚1枚人の手で作り上げる製品です。そのため製品の厚みのばらつきなど採用する人がその性質を把握している必要があり、全国でも施工認定された会社でのみ取り扱うことができます。
また納品までも時間を要するため、仕様決定から発注・納品まで余裕をもったスケジュールが必要です。天龍焼杉を検討しているされている方は、お願いしている工務店さんに早めに相談してみましょう。
街の景観をつくる魅力的な風合いと佇まい
杉材の表面を焼き、炭化させることによって生まれる独特な質感と表情は、街の景観をつくり、他の外壁材にはない魅力的な風合いと佇まいをみせてくれます。
景観的にも美しい天龍焼杉で外壁を仕上げることで、永く飽きが来ず、愛着をもって暮らすことのできる住まいを実現してみませんか。