ていねいに暮らしを
デザインする私たちが大事にしている基準、
「ものさし」があります
住まい手の「夢をカタチに」するのが私達の使命ですが、理想と現実を擦り合わせて繋げていくには「大きくなりすぎた夢」と「本当に実現すべきこと」との選別をしなくてはいけません。そのために私たちが大事にしている基準、「ものさし」があります。
その「ものさし」を用いてつくる私たちのスタイルを「木成りの家」と名付けました。無垢の「木」をふんだんに使い、シンプルで気持ちの良い「生成り」のように人に優しく、でもしっかりと長持ちする住まい……、それが「木成りの家」です。
使い込むほどに味わいが深まる、それでいてしっかりとしたデニムジーンズのような家そのものです。シワを気にせず、どんなコーディネートにも似合う、なめした革のような馴染み感と頼もしさのある普段着スタイルの暮らしのご提案です。
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1 場を読む
いい家をつくるための手掛かりは、その立地や環境に散りばめられています。そこから見える風景や光・風といった情報を、五感を生かしつつ読み込むことを大切にしています。
その条件に決して抗うことなく素直に受け入れながら、敷地の全てを生かしきる設計を心掛け、「その場ならではの暮らし、その敷地でしかできない住まい」と呼べるような、土地にしっくりと馴染んだ家づくりを目指しています。
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2 必要充分を見つける
家づくりは、住まい手にとって本当に欲しいモノ・コトは何か、求める暮らしに何があれば足りるのかを探り、そこに優先順位をつける作業が何より大事だと考えています。
私たちは、お客様自身も気付いていない「必要充分」という無理もせず身の丈に合った程良い暮らしを見つけるための面談に、多くの時間を費やしています。住まい手となる家族の「真意」をしっかりと読み取り、プロとしての「最適解」を導き出して、心豊かな暮らしを提案するのが北村建築工房の得意とするところです。
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3 「箱」ではなく「場」をつくる
心を豊かに暮らすためには、部屋を並べた「箱」ではなく、暮らしを愉しめる居心地の良い「場」をしつらえることが大切です。そこで誰が何をするか、どう過ごすかを一緒に考えながら、たくさんの居場所をつくる設計を心掛けています。
たとえ狭くとも、家族それぞれがワクワクするようなお気に入りの「居場所」がある家は、家族がつかず離れずの程良い距離感で暮らせる家でもあります。
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4 小さく建てて伸びやかに暮らす
「必要充分」を見極め、「場」を考えた暮らしの延長上に「小さく建てる」考え方があります。漠然と欲しい広さを求めて設計を進めてしまうと、途中から家を小さくする作業は難しく、こだわりであったはずの自然素材や無垢材を予算を抑えるために諦めては本末転倒です。限られた空間でも、「視線の通し方」・「明と暗」・「高と低」など空間のメリハリや回遊動線をつくるなどの様々な工夫で、面積では測れない奥行きと広さを感じる気持ちのよい空間は作れるものです。
「小さい」ことは無理や我慢をすることではなく、家全体の温度ムラを抑え、掃除がラクで、光熱費や工事・メンテナンスの費用もかさまないという、良いコトづくめです。また、小さく建てることは敷地にゆとりを生みます。そこに好きな樹木を植え、ソトとつながりをもつことで四季折々の自然の移ろいを感じる暮らしを手に入れることが出来ます。
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5 ソトとつながる、マチにひらく
大きな開口部の先に、広いデッキや濡縁などの「ウチとソトのあいだ」となる曖昧な領域を設け、四季の移ろいを感じる雑木庭を随所に配して、おおらかにソトとつながる空間づくりを得意としています。室内に光や風などの自然を取り込みつつ、暮らしが外へ外へと広がっていき、自然とともに伸びやかで気持ちのいい暮らしを手に入れることが出来ます。
また、家は住まい手のものであると同時に、マチの風景の一部です。ひとりよがりでなく、道行く人が木々の緑や花を愉しみにするような、街に溶けこみ、街の豊かさに寄与できるような家や庭づくりを提案しています。
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6 時を読む
家づくりはどうしても今を基準に考えてしまいがちですが、数年ごと、さらには何十年も先の家族の暮らしぶりや趣味嗜好の変化に柔軟に対応できる可変性を持つ家こそが、暮らしを永く豊かなものにすると私たちは考えます。
木成りの家で採用している厳選した本物の無垢材や自然素材は、住まい手と共に歳を重ね、味わい深い風合いに経年美化していきます。それは「愛着」となって手を入れながら大切にしたいという思いを生み、時が経つほどに趣のあるヴィンテージ品のような家となります。永い時を想いながら、数十年後に成熟していくようにしつらえる設計を心掛けています。
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7 シンプルで余白のある家
北村建築工房が手掛ける家は、至ってシンプルな間取りやカタチが多いです。
家は建てた時が100点ではありません。暮らしを重ねるなかで、家族構成の変化や嗜好の変化に合わせて住みやすいように改善していく、そうやって理想の家は出来上がっていくと思います。家は暮らしに寄り添いながら、つくり続けていくものです。私たちはそのお手伝いをしているのです。
人と空間とこれからの将来をしっかりと見つめ、その時々のライフスタイルに対応できる「余白」のある設計を心掛けています。
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8 自然の恵みと共にある家
環境にも住まい手にも優しく愉しみながら暮らせるためのパッシブデザインを提案しています。パッシブデザインとは、太陽の光・熱・風といった自然エネルギーを上手に活用して、快適な住まいづくりを目指す設計手法です。夏の陽射しは庇やすだれで抑え、冬の温かな陽射しはしっかり取り込み、その土地独特の風をいざなう、自然の恵みを生かすプランを考えています。
また、太陽熱を利用した空気集熱式ソーラーシステムや各階の空気を循環するサーキュレーションシステム、1台の低出力エアコンで暖房効果の大きい床下エアコンの全館空調計画など、なるべくエネルギーを使わない設備の力を補助的に借りながら、家じゅうの温度差を2℃以内におさめる、温度ムラのない快適で健康な暮らしができる家づくりを目指します。