日々の暮らしに
うるおいを庭はわたしたちの暮らしに豊かな可能性を
もたらしてくれる、大切な住まいの一部です
木陰に憩う、花や実や紅葉を楽しむ、季節の香り、芽吹きの美しさ、小鳥のさえずり、旬の美味しさ。緑のある暮らしは、春夏秋冬くり返す自然の営みのなかに、日々の喜びと安らぎを感じさせてくれます。
庭で暮らしはもっと豊かになります。「庭も建物と一体に考える」、それが私たちの家づくりにおける基本的な考え方です。「家+庭=家庭」という文字が教えてくれているとおり、家と庭はひとつながり。庭はわたしたちの暮らしに豊かな可能性をもたらしてくれる、大切な住まいの一部です。
敷地全体を生かし、日々成長を重ねる庭の草木と共に毎日の暮らしを積み重ね、ウチとソトをつなぐ「自然を取り込んだ気持ちのよい暮らし」を実現したいと考えています。
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1 景色をつくる
私たちは、街の情景や近隣の建物に目を配り、間取りと同時に木を植える位置を考えています。
窓は単なる通風・採光のためだけでなく、ましてや隣の家を眺めるためでもありません。だんだんと葉の色が変わったり、きれいな花が咲いたり、外にひろがる緑や空を眺めて揺れる葉で風を感じたり、家にいながら目の前で季節の移り変わりを感じることができます。生き生きと自然の息吹を感じる窓は、自然と心を癒してくれます。
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2 自然な雑木の庭
自然の木立に包まれた、つくり込み過ぎない庭づくりを行っています。
山にある樹木は、1本だけで単独で生きているのではありません。さまざまな種類の樹木が寄せ合うように、そして伸び伸びと葉を広げている情景が自然な姿です。夏は木陰涼しく、冬は冬枯れの陽だまり、落ち葉や枯れ草、多少の雑草も風景の一部です。
高・中・小の木々を木立に寄せ植えして組み合わせることで樹木同士が助け合い、手のかからない自然の森のように、長い時間私たちと一緒に生きていける樹木が育つ環境を整えます。
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3 ウチとソトをつなぐアウトドア
リビングやわらかい木漏れ日がそそぐウッドデッキがあると、外へ向かう意識が強くなり、暮らしと住まいのスケールが広がります。
広いデッキや濡れ縁などの「ウチとソトのあいだ」となるあいまいな領域があることで、より五感で自然を感じられる空間として、庭の楽しみを何倍にも増してくれます。
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4 小さく建てて伸びやかに暮らす
住まいは街の景観の一部でもあります。家と緑がとけあう景色は家の佇まいを豊かにするだけでなく、街並みに彩りを加え、通りを行き交う人たちにも潤いをお裾分けすることができます。
また、ブロック塀の代わりに木を植えることは、実は防犯面でも有利です。植栽の種類や配置を工夫することで外からの視線を遮り、目隠し効果もつくり出せます。周辺環境を考慮しながら、外に開きつつ丸見えにならない程良い関係をつくるしつらえで、街にやさしいファサードづくりを意識しています。
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5 育てる庭
庭で野菜やハーブを育てる。収穫したベリーでジャムをつくる。自分たちが手をかけることで、育てることの大変さや食べ物のありがたみ、季節ごとの野菜の旬も知ることができ、食育にもつながります。
野菜本来の味や、自然の甘み、採れたての美味しさを知ることは新しい発見の連続。子どもたちが枝から直接果実を採ってそのまま口に運ぶと甘かったり酸っぱかったり、そんな経験も良いものですよ。
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6 小屋のある暮らし
農工具やアウトドア用品の物置きとしてはもちろん、書斎や趣味部屋、またはガレージとしても多目的に使うことができる小屋を庭の一角に。使い方を限定せず、遊びゴコロがくすぐられる小屋は、非日常を愉しむちょっと贅沢な離れとして暮らしの幅を広げてくれます。